JANOG18

JANOG18は7/13--14、パナソニックセンターで開催されました。
JANOG18は運営委員会としても何かを起こさんとして最初から企てていました。まずはSC=Steering Committee==共同実行委員長 の公募でした。従来は運営委員会から名指ししてたんですね。それから、SCが好きなようにChairs陣を布陣してもらうことに。その辺のことは過去の日記に http://d.hatena.ne.jp/maem/20060315

今回はLA隊長・島田理枝さんがおっしゃっていたように、「手作りへの回帰」でした。というか、運営委員にも存分に稼動が回ってきまして、案外長い時間外にいたので聞けていないのですが、それでも半分くらい聞いた限りだと、凄い出来上がりだったと思います。


上のように組織された実行委員会、しかも、プログラムを作りこむのに、「プロデューサPC」なる新たな制度を導入しつつ、発表者の公募に頼るだけでない、プログラムを作り上げることに最適化した布陣でしたし、実行委員会全体そうでしたがそれに輪を掛けてプログラム委員会が、いつもより数段手間を掛けて練り上げていったようです。

ですので、発表はポイントが分かりやすく、発表自体が終わってからも十分に議論に時間が取れ、会場からのフィードバックがセッション全体を特徴付ける発表が多かったと思います。また壇上から積極的に会場を巻き込むべく、挙手形式で意見を聞いてみたりもしました。そういったところから、議論を詰めていったりしたので、実行委員会が目指していた「議論オリエンテッド」なJANOGが出来上がったんじゃないかと思います。


例えば、「ほっといたらIPv4運用に影響するIPv6の話」で登壇なさった、マイクロソフトの及川さんはご自身のblogでこのように。

初めての参加だったのですが、Meeting と呼ばれている理由がよく分かりました。会場からの活発な質問にまず感激しました。また、それも、会場の出席者(参加者とは言わないそうです)からスピーカーへの一方通行の質問ではなく、時にはスピーカーのほうから問題提起させてもらい、会場の出席者と議論をすることもできます。出席者間で話し、ある程度の提案にまとまることも。非常に刺激的な Meeting でした。

これなんかは、運営委員会としても目指していた1つの形じゃないかと思います。
つらつらと思い巡らせて見ると、「とてもメジャーな商用OSの開発者対ネットワーク運用者」という構図で、これまであんまり交流の機会がなかったということが大きいのかも知らないです。考えてみれば、今までは「ネットワーク運用技術者同士でスキルの融通をしていた」ような構図だったとすると、はるかに構造として好ましかったという話もあります。


しかしながら、このセッションだけでなく、M社のTさんを初めとして、率直に考えを呈してくださる出席者にも恵まれ、それに刺激されて少なからず新たな発言者を呼び込み、会場からの意見も組み立って、詰まって行くという局面もありましたから、やはりJANOGとしては新次元だったのではないかと思います。

広報担当T島氏のblogはこんなことを言っています。http://www.hirochan.org/tdiary/?date=20060719#c01
うんうん、ご苦労様。


例えばJANOG15のときに指摘されたように、運用技術者に求められる責任が増えるのではないかという指摘もあって、そういうものに対してJANOGが未来永劫つれづれなるままの議論をやっていてもまずいだろうなぁ、と思っていたのですが、JANOGがこんな感じで何かの問題意識に対して解決策に向けた何らかのコンセンサスを形成できて行くと、世間から求められる期待に応えて行く方向になるだろうと思いました。

その一方で、今回の実行委員会は本当に凄く手間暇を掛けてプログラムを組み立てていったので、この濃度を毎回実現しようとすると相当大変かもなぁ、とも、正直思ったのです。この辺を今後どうやってこなして行くのかで、今後ちょっと悩む必要があるんでしょうね。


この場をお借りしまして、実行委員の皆さん,発表者の皆さん,出席者の皆さん、運営委員の皆さん、お疲れ様でしたー。またよろしくお願いしますー。
特に実行委員の皆さん、この場では次に向けて淡々と問題意識を書いてみたりしましたが、素晴らしかったです。本当にありがとうございました。