総務省、ネット通信網の東京集中に「待った」

自分の専門でなければ「へぇ、そうなんだ」と思って流すだけかもしれないけど、この記事変ですね。

  1. 冒頭の一段落、「トラフィックの大半が東京を経由している状況」を「総務省が抜本的に見直す」という、総務省アーキテクチャのコントロールを握っているかのようなびっくりするような内容が、「2日明らかにした」とどのような手段で入手したかわからない言い方で書いてある。報道発表は7/2にはされていないように見えるが、どなたかの談話なのだろうか。謎である。
  2. 5段落目、「IPアドレスに電話番号の市外局番のような地域性を与える」のが、決定しているのか、次の内容と同様「目指す」のか分からない。
  3. 6段落目、「IPアドレスが場所を識別できる番号がついていないため、9割がわざわざ東京を経由している」と書いてあって、それがアドレス分配のせいだと断定する論理だが、まずは各社東京以外に接続点を持たないのがどう見たって最初の問題でしょう。これを読んで、かつ生半可に日本でIPアドレスを管理しているのがJPNICだということを知っている人は「JPNICけしからん」とかいうんだろうか。

この文脈は次世代IPインフラ研究会の文脈で、データ通信課のご担当者とは第一次報告書を眺めながら話をさせていただいた。地域属性のIPアドレスに関しても「そういうご意見があるのは承知しているが、BGPのテクノロジーで十分対応可能だと考えている」とはっきりと申し上げていて、それでデ通課のご担当者が地域属性IPアドレスのことをおっしゃり始めるとも思えない。

新聞というのは、専門でない人たちにも分かるように書くあまり、専門の人々には過度の単純化が誤謬のように読めてしまうことが多々あると思うが、この記事も一般の方が単純に「へぇ、そうなんだ」くらいに思ってくれるくらいならなんでもないが、専門となさる方が読んで誤解なさらないことを願うばかりである。

ところで、「GB(ギガバイト、1GBは1Bの10億倍)」みたいな表現がよくあるけど、10億倍といわれて大きさがぴんとくる人いるのだろうか。