情報社会学とインターネット

国際大学GLOCOMのWebページで、公文俊平さんと丸田一さんの対談が掲載されていた。

http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2004_09/2004_09_20.html

公文さんは「情報社会学」を提唱し、その理論体系構築に一貫して取り組まれており、丸田さんはUFJ総研からGLOCOMに参加され、公文理論の展開とともに、最近では地域情報化をテーマに取り組まれている。

最初から最後まで興味深いが、特に印象的だったのは、

丸田  ...そういう意味でこの情報社会学は、第三者的な視点を持つというのではなくて、現場にいてこそ光る学問であると痛感します。

公文  われわれが外から第三者的に眺めるというのではなくて、われわれ自身も観察・研究対象の一部であるし、一緒に活動しながらそのなかで知識も創発してくるところが非常に大事だと思います。...

というところで、地域情報化のイベントには、研究者の皆さんがたくさん自らが参画しているし、各地域の活動家は非常に豊富な知見をお持ちのように、傍目に見える。

こういうところ、インターネットインフラ業界にも似ているなぁと思ったのだった。
第一線の学者の方には、単純に論文を書いているだけではなく、実践としてインターネットを動かして、動かし続けるためにはどうするべきなのかという視座で活動なさる方に、枚挙の暇がない。
理論をこねくり回すことより、実際に動かす、未来永劫動かし続けるということに神聖というほど大きな意義がある。この意味において、アカデミアと産業界、研究者と運用者、あるいは経営者とそうでない人との間の敷居が低かったり、時にはなかったりするのが、このインターネットインフラ業界だと思うのである。
たまたま材料が回線とコンピュータと通信機械なのか、人間のネットワーキングなのかの違いで、同じことをやっているってことなのかもしれない。