Geoff Huston かく語りき

Vint Cerf が Google にうつることになったらしい。それに関してCNETのインタビューに応えているプレスリリース前からそれらしいことを口走っていた、という記事。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20087115,00.htm
 
Vint Cerfといえば、「インターネットの父」と言っていい人である。他にも数人信望を集める先駆者がいるが、Jon Postelが亡くなったとき、追悼RFCを書けるのはこの人くらいだろうし、ノーネクタイがドレスコードになっているNANOGミーティングで、唯一例外を認められる人だし、引き続きICANNのChairman of the Board である。
 
Googleと言えば。
Geoff Hustonという人がいる。こちらも相当な先駆者で、オーストラリアの学術ネット立ち上げのあとテルストラに移った。数々の重職を歴任し、去年からはテルストラに籍を置いたまま、100%APNICの仕事をしてくれている。
 
先々週のAPNICミーティングで、APNICのCEOレセプションと銘打たれたイベントで、Geoff Hustonがインターネットの未来を語るプレゼンをした。その中で印象的だったのは「現在のOSI参照モデル」として書いた以下のようなチャートである。

  ユーザ
  Google
  Microsoft
  intel
  cisco
  物理層

いや、ま、そうだけどさ。わざわざ図示しなくても。。ぶっちゃけ過ぎぶっちゃけ過ぎ。。
 
Geoff曰く、
サーチエンジン然り,Google Map, Google Earth 然り、Gmail然り、Orkut然り、タダであれだけ魅力的で便利な機能を持っているのに、使わない手があるわけない。タダ、単なるお人よしなわけもなく、検索キーワードへの入力,住所や座標情報の入力,内容を読み通さないまでもメールの中に出現する単語、全ては彼らのユーザの嗜好を知る格好の手段となっているに決まっている、かくしてGoogleはユーザのことを最も知る企業と言っていいだろう、と。
Geoff Huston、BGP経路制御やIPアドレス寿命予測などの研究や、インターネットガバナンスに関して、たくさんいたるところでお話をしていて、ほとんど全てが彼のWebサイト、http://www.potaroo.net/ で入手可能である。すばらしい。

ところで、Vint Cerfのニュースは、Geoffがこのプレゼンをした後だった。APNIC ECの中で冗談が飛び交う。
CheHoo Cheng: 何でGeoffがCEO ReceptionでGoogleの話をしたか分かったぞ。Geoffも移る気だな?Vintがチーフ・インターネット・エバンジェリストなら、Geoffのタイトルは何だ?
私: Googleに移ってくれてもいいけど、また100%APNICの仕事してもらうようにしないとね。
Geoff: 面白れーじゃねーか。

先週CheHoo Chengと会って話して曰く
Geoff、Google行くのかって質問に、まだNoって答えてないんだよねぇ。。。
 
ま、まさかっ。。。