して、本題のP2Pに関して

さて、本題のP2Pなのだが、実はJANOG14での亀井さんの発表は、P2Pを発展させてネットワーク層の信頼性向上の観点から活用しようというアプローチなので、実はこれ自体はP2P技術との関連性は薄い。ついでに、SoftEtherもインターネット上にオーバーレイしてイントラネットを作る、いわゆるインターネットVPNの技術なので、オーバーレイではあってもp2pとはいえないと思う。というわけで、冒頭のこの紹介は後に続くP2P応援の前振りでしかなっていないように思える。
 
それはともかく。
 
P2Pという言葉が不快なイメージで語れることが多くなってしまった。インターネットインフラ事業者にしてみれば、捌ききれないほどのトラフィックを生成しているのがP2Pファイル共有ソフトウェアだとされているし、現在の低額かつ定額の課金体系で野放図にトラフィックをばら撒かれても困ってしまう。
 
しかしながら、本来であればネットワーク事業者はお客様からたくさん利用していただくということに対して不快なイメージを持つはずがない。つまり、たくさん利用していただく分たくさん課金すればいいはずなのだ。ある程度、利用に応じた応分の負担をユーザに求めてくれなければ、次にはトラフィックの少ないユーザからクレームが上がりはしないか。
これは本質的な問題なだけに、案外早く根本的に解決するのではないかと思うのである。実際いくつかの事業者では、総トラフィックボリュームが一定の基準を超えると料金を変えるような課金方式を取り始めている。そうすれば、無駄なトラフィックを発生させるようなソフトウェアの利用は止むんじゃないだろうか。このようにコストを応分負担するモデルのほうが、結局全体的な設計を楽にするような気がするのだが。
 
ADSLの速度非対称性がP2Pになじまないという指摘もあるが、他のアジア諸国で3Mbps,6Mbps止まりのADSLが、日本では好きこのんで47Mbpsでさえ提供される国である。上りの細さに愛想が尽きれば上りも太い回線に乗り換える需要が顕在化して、それに即座に対応してしまうのではないかと思う。FTTHかもしれないし、xDSLだって速度対称なものがある。

雑感に過ぎないコメントになってしまった。これを書いている時点で既にtracebackがいくつかあって、それぞれの視点があって面白いものだと思うんだが、案外インフラ事業者サイドからのインプットって少ないのね。