「欧州の個人が持つ力強さの源泉」

CNET blogを読んでいたら、梅田望夫さんが「欧州の個人が持つ力強さの源泉」というタイトルで書かれていた。今北純一さんという、ルノーの役員などなさった方との対談で、米国のシステムと欧州(少なくともフランス)のシステムの違いをいろいろと論じていた。個人的にこういう議論好きで、とても勉強になった。
 
フランスの場合エリートの条件として絶対的に出自があるらしい。出自が生まれながらにして持つ人的ネットワークを決定付けてしまうからで、エリートたちは出自ゆえのエリートであることを誇らしいとも恥ずかしいとも思わない。ただ出自だけで自己実現するわけもないので、人の何倍もがんばる。
それに対して米国の場合徹底的に能力主義で、国籍も関係なく、とにかく能力さえあれば社会で認められる、そうやって能力が高い人間を集めておくというのが、米国が未来を生き抜く戦略なのだろう、と。
米国では休む暇もなく働かないといけないから、Early Retirementが流行るが、フランスでは毎年長いバカンスを取り、プライベートも仕事も楽しまないと意味がないと思われる。フランス人も、こういうシステムがグローバルに戦えるものかとちょっと疑問に思うらしいが、生活全て競争に差し出してしまって燃え尽きると言うことが果たして人間らしい生活なのか。
 
昨日もちょっと書いたが、僕の場合転職して入った会社が3国3社のジョイントベンチャーだったのだが、基本的には米国の会社だと思っていた。当時の僕の頭の中には、外資能力主義みたいな構図しかなかったし、外資=グローバルスタンダードみたいな今思うと恥ずかしい単純化をしていた。しかし、この恥ずかしさは梅田さんも今北さんも通ってきた道のようで強烈に安心した。:-)