パリのハズレにて1週間暮らす

あまりに日にちが空いたのでバックデートしちゃった。

 正月三ヶ日に仕事したことなんてかつてなかったが、今年は2日に飛び、3日月曜から7日金曜までパリの研究所本丸で仕事をしていた。5日水曜から3日間の会議に出席するためなので、4日に飛んでも大丈夫ではあるのだが、どうしてもその会議以外にちょこちょこ用事を済ませてきたい、かといって土日をまたいで次の週で考えると家を空けるのが長くなりすぎる、とすると、向こうは3日から仕事が始まっているんだから2日に飛んで、3日月曜から一週間過ごそうじゃないか、ということになった。

 研究所本丸は、モンパルナスから地下鉄で10分くらい、12号線の終着駅 Mairie D'Issy がある街、Issy les Moulineaux (イシー・レ・ムリノー)というところにある。これまで2回パリに出張したことがあるが、そのときにはパリの街中に滞在していたのでなんとなく非日常な生活だったのだが、今回はIssyという街に1週間住んで暮らすような雰囲気だった。ホテルも三ツ星だとホテルの中で夕食やバーで一杯ということができず、そういう用事は外で済ませないといけない。ちなみにフランスのホテル格付けは http://www.franceinformation.or.jp/accommodation/main.html に詳しい。


 というわけで、特に印象に残ったことを箇条書き。

  • 3度目ながら、「伝統を重んじる」というか、「古っくさい」街だなぁ、と思う。
    • 地下鉄なんか、ほとんど銀座線くらいの古さで、バリアフルなつくりである(ただし数少ない新しい路線は南北線大江戸線並みにバリアフリーできれい)。
    • 石畳っちゃー聞こえがいいけど、汚いし、犬の糞発見率高し。一説によると犬の糞を拾わないのも納税者の権利だと思っている、と言う話があったが、今回は犬の糞を拾っている人も見たので、ちょっと安心。
    • 挨拶をちゃんとします。冷やかしで入った店でも、挨拶なしで帰れることはない。「ボンジュール」ではすまない、デフォルトが「ボンジュール、ムッシュー」である。この差は大きいと思うな。呼びかけられてるもん。僕は外人だからそれ以上たくさん話しかけないけど、フランス人ならまぁ、三言四言喋ってるもんね。これに比べると、日本の都会に暮らしているとここまで挨拶しないし、これくらい東京でされたら、僕は鬱陶しいと思うだろうなぁ。
    • 煙草?どこでも吸えます。それはいいすぎか。でもレストランでも中で吸えるし。
    • オフィスも、正直言ってとても古い。新しいところもあるので、古いところは古いまま残っている、というのが正しい言い方か。でも石造りだから取り壊して新しくするって感覚もないんじゃないかな。LANや電源の配線も、壁の上に四角いダクトをつけて配線。
  • カフェって感じのところがたまたま付近になかったというのもあるのか、街の夜は結構早くしまる。9時くらいになると、もう飯を食わせるところが残り少な。で日本人にとって分かりにくいのは、開いて商売やっているところでもそんなに店内が明るくないので、もう終わりなのかなー感が漂っていて、入りづらい。今回の付近にはブラッセリーと書いてあって、バーカウンタースペースとテーブルスペースが半々みたいになっている店が多く、あるところは夜遅くなると酒しか出さなくなったり、あるところは料理も出してくれたりする。謎。
  • 「パリの朝はフランスパンの焼ける匂いから」などと言うが、確かに近くのパン屋からいいにおい。そのほか、ワイン屋,チーズ屋,ハム屋なんてのが近くにあって、いい感じになってました。ちなみにワイン屋では、いろいろな地域や品種が分類されて網羅されていて、10ユーロしないものもたくさん。
    • ちなみに、機内食エールフランス・Y)とか、ビジネスホテルの朝食とか、会社の社食とか、およそ最初から味を期待しないような局面でも、パンとチーズ(出てくるときはワインも)はいちいちおいしいと思うなー。
    • スーパーマーケットにいってみたんだけど、巨大な酒売り場(大半がワイン),チーズだけで巨大な冷蔵陳列一列,ハムでもまた一列、なんてことになっているから、こりゃ所詮こだわりが違うね。日本だと、豆腐,しょうゆ,ミソ,米なんていったって、一列全部って感じにはならないでしょ。
  • 地下鉄の駅の出口に広場があって、平日中ずっとカバーがかかっていた小さなメリーゴーラウンドがあったんだけど、これが金曜日の夜にご開帳。それどころかその広場中に市場が立って、野菜から衣料品や変な革製品までいろんなものを売っていた。同じ金曜日の夜モンパルナスでも全く同様になっていたので、そういうものなのか。
  • がんばってね、フランス語使おうとするんだけど、発音変だと分かった時点で、YesとかNoとか英語で返され始めるのです。あなた方は親切でやっているのかもしれないけど、こっちは結構凹むの。ただね、どうせそれ以上フラ語喋られても通じないから、適正適応ではあるのです。でも凹む。

 

今回特に全く観光っ気なしだったということもあるが、どうもどこに行っても、名勝や名物に萌えることがないなぁ。かえってこういう、現地の人間の息遣いみたいなもんが分かるととっても面白く、どうもそっちのほうに気が行くらしい。