APNICの料金改定、JPNIC IP事業の料金改定

月曜日、JPNICIPアドレス管理指定事業者説明会でございました。いくつかトピックはありましたが、一番大きかったのは、APNICの料金改定が検討フェーズに入ったことをお伝えするものでした。プレゼン自体は穂坂俊之にやってもらって、僕は後から出て行くことに。
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20060424/material3.pdf
APNICの料金改定、あくまでたたき台が出てきたところで、まだまだ検討抜けの多い段階のものなのですが、具体的な料金表もでてきているんですね。それによると、

  • 長らく料金制度のベースをいじっておらず、為替レートも厳しくなってきて、2006年は若干赤字予算を立てたくらい収支均衡している状態なので、10-15%の収入増を実現したい。
  • 一番小さなメンバーシップカテゴリと一番大きなカテゴリで、1ホストアドレスあたりの年会費が300倍の開きとなっているので、これを是正したい
  • NIR(国別インターネットレジストリ)のPer Address Feeのいびつな構造を是正したい

という前提と達成目標を叶えるものだということなんですね。
とにもかくにもこれを当てはめたら、現在の最大ランクの会員で4倍くらいの会費を支払うことになる、というのがたたき台が言っていること。

以上はAPNICのことなのですが、なぜJPNICでこの話をしないといけないかというと、APNICの料金制度が変わると、それを反映してJPNIC IP事業の料金を改定しないといけなくなるからなのです。APNICとほぼ同等な値付けにしないと、APNICに流れて行く原因となるわけですし、JPNICからAPNICに支払う金額も変わるということで。ちょうど前回の2004年の料金改定の時に、2007年に見直すということを申し上げていますから、それにあわせた検討をする、ということになります。

反応は、非常に大きなものがありました。想像はしていたものの目の前に突きつけられ、それに対してしかるべき返答をしないといけないわけで、そこそこちゃんとお答えできたつもりですが、2004年の料金改定の説明行脚のときを思い出して、身が引き締まる思いがしました。

勿論サービスが値上げになることを望む事業者はいないのです。一方でAPNICもJPNICも非営利の活動で、基本的にコストの転嫁を旨としていて、やらないといけないことは年々増えていきます。
僕自身、APNICの活動の充実は現在のところ好ましいレベルのものであって、これを削るべきではないと考えています。僕個人は、多少値上げになったとしてもしっかりRIRの活動をやって行くべきだと思うのですが、それは即、JPNIC指定事業者の方々にそれを押し付けていいという理由には決してならないわけでして。

つまり、適正であることを確認して、適正であるとご説明しなければならないということになります。

APNICとJPNICの両方をほぼ同時期にいじる必要があるわけで、ついでに言うと、それによってAPNICとJPNICの間でメンバーシップの移行が起こる可能性もあるわけです。

そういう作業をついに始めてしまったんだなぁ、と思い知らされる一日でした。