韓国訪問記

9月20日から23日にかけて韓国に行ってきました。主目的は、KISPA - Korean Internet Infrastructure Promotion Association
NIDA - National Internet Development Agency of Koreaと共催する、NGIT2006 - Next Generation Internet Technology 2006 というイベントに出席するためです。ハングルですが、Webページもあります。
http://www.kispa.or.kr/ver2/sub4_read.htm?no=97

もともとはこれ、日本のインターネットの現状を話してほしいということで、KISPAからJAIPAに依頼が行っていた講演だったのですが、JAIPAはJAIPAでRIBBと共催の帯広イベントがちょうど重なっていて受けられないということでお鉢が回ってまいりました。本当は帯広に行きたい気持ちもあったのですが、韓国は韓国て見たいものもあり、お話を受けることにしました。

NGIT2006はどんなイベントなのか

プログラムを見るとおぼろげに見えてくることは、インターネットの要素技術の最先端を探ろうとしている感じだと思います。ガリガリの運用技術という感じではなく、かといってアカデミックな感じでもないので、日本で対応する会議がどれかといわれるとちょっと困るかも。予稿集をもらってきましたが、なにぶんハングルなものでして。。orz
僕はこのNGIT2006に関してKISPAから依頼を受けた形になっていましたので、KISPAのイベントだと思っていたのですが、会場に行ってみると実際にはNIDAが思った以上に関与していることが分かりました。会場では、NIDAの中で今までお会いしたりお世話になった方々が、IPアドレス関係者を除いて全員、と言って良いくらいいらっしゃっていました。懐かしい感じさえしました。実はKISPA自体が、NIDAが主体となって立ち上げた団体らしく、振興策の予算はNIDAから振り出されているものも多いようです。

僕の発表が最初,次がSK Telecomによる uCity構想について。中では、韓国政府がソウルから大田に首都機能を移す構想が触れられたりしていて、さすが韓国という感じがしました。
その後が、MIC(情報通信部),NIDA,KISPAからのご挨拶。こういうところにしかるべき方がいらっしゃってきちんとご挨拶なさるというあたりも韓国的です。

日韓インターネット技術イベント?

現在のNIDAのトップ、Dr. Kwan-Ho Sonにお会いするのはこれが3度目になると思います。お顔はこちらから。威厳がありながら気さくな方ですが、宿題をひとつもらってきました。
このNGIT2006のような、インターネット技術に関するイベントを日韓合同でできないか。もっと言うと、2008年には韓国でOECD関係のイベントをやるのでそれとback-to-backで開催するから、2007年は日本でやれないか。
ううむ。そうきますか。
まず意義深いことになるであろうことに疑念はありません。隣同士でそれぞれ独自の生態系で発展してきたブロードバンド大国なのに、我々は韓国がどんなことをやっているのかそんなに知っているわけではありません。日韓で協力してもっと大きなことをやれる可能性もありそうです。
ただ、意義深かったら自動的に実現可能というわけでもないわけで、大きな宿題となりました。NIDAに対するカウンターパートはJPNICということになると思いますが、JPNICが単独でやれることではないでしょう。また、学術系では、WIDEやAPANで交流があるわけで、その辺の流れを押さえることも必要だろうし、日本国内の既存のイベントのどれと対応させるとか、そういうことも考える必要があるかもしれません。

というわけで、結構広範囲の方々と相談して形にしていきたいと思っています。

KINX

NGITの次の日はKINX - Korean Internet Neutral Exchange を訪問してきました。もともとはNCA - National Computerization Agency の下で発足した検討部会だったようですが、NCAからも独立して法人化されたようです。
1998年にKRNIC(当時はNCAの一部局でした)を訪問したときに聞いてびっくりしたことには、韓国のIXはどこもレイヤー3IXだ、と。どうも今もそのようです(本当ですかね?ちゃんと聞けてないかな)。KINXはそういう中では唯一の、日本で言うNSPIXP, JPIX, JPNAPと同様のレイヤー2のニュートラルなIXだ、ということです。
キャリアニュートラリティという考え方もあんまり浸透していないようで、KTなんかとはビジネス上のコンフリクトも多いもよう。ただ、コンテンツプロバイダや外資キャリアはニュートラルな場所がもちろん欲しいらしく、ビジネスとしては好調のようです。