JANOG21を振り返る

maem2008-01-31

あっという間に3週間が経つのですが、JANOG21を振り返ることに。日付は大胆にバックデートしてありますが、何か?

まず、IPv6サミットin熊本

http://www.iajapan.org/ipv6/summit/KUMAMOTO.html
1/23水曜日。特に良かったのは江崎さんの講演。P2Pを従来のファイル共有の枠だけでなく、積極的にコンテンツ配信アーキテクチャ捉える話。しかもこれは既にTVバンクで事業として動いている(JANOG21でも発表)。ファイルを近くにコピーしてアクセスを速くするという手法は、キャッシュメモリと同じ。キャッシュがフロントエンドとなってユーザあしらいをするなかで、メインメモリはメモリ空間上での一意性を保つ。今後の通信はトランスペアレントに*見える*というのがキーワードか。
他にも、大きな枠で今の現象を捉え直す視点は、とっても頭の整理になります。

JANOG21

http://www.janog.gr.jp/meeting/janog21/
1/23水曜日の夕刻にBoF。これくらいの緩いコーディネーションでも、リラックスして面白いことができるという好例ではないかと思う。
実は本番でプログラム以外に印象的だったのは、ホワイトボード。会場のすぐそばと、展示室にホワイトボードが設置されて、前で議論ができる体制になっていました。これはJANOG20で導入だけはしてみたシステムだが、今回積極利用されていて、議論の時間が足りなくなったら打ち切ってホワイトボードに誘導したりして。そうすると、黒山の人だかりがホワイトボード前にできて、結構熱気のある議論が継続。いいですね。

プログラムはほぼ2日目のほうしか見られなかったけど、石田慶樹さん,浅羽さん,水越さんによるNGNを憂うネタ、APNIC藤井美和さんによる、NOGs紹介のlightning talk, 実際にP2P配信で中継された、P2P配信技術を語る,仲西と高田さんによる「そのラック、何度かしら?」、いろいろな領域の、それぞれに聞きたいことが粒ぞろいになっていて、それぞれに工夫がされていました。今回もプログラム委員会、手間掛けたんじゃないでしょうか。

僕自身もちょっと関与した、枯渇セッション。壇上に上がっているのは、ちゃんと紹介されなかったけど、JPNICの枯渇検討に関わったワーキンググループの面々。報告書に盛り込みきれなかったいろんなことを壇上で披露することができたので上々だったと思うのですが、会場からの議論は盛り上がりませんでした。
解釈するとすれば、IPv4アドレス在庫枯渇によってどういう問題が起こるのかと言うことに関しては、そこそこ皆さん理解・認識するようになった。IPv6導入が求められていることも分かった。でも、その辺を進めるにはどうやっていけばいいのかに関しては、全然見当が付かない、みたいなポジションに陥っている、という感じではないでしょうか。

no longer in JANOG committee, not in the meeting committee nor a presenter

JANOG20で運営委員を退き、今回は実行委員も発表者も引き受けませんでした。考えてみれば、JANOG運営委員をやっていればミーティング実行委員会のメーリングリストに入って、四六時中JANOGミーティングのことを考えていることになるのですが、この半年は静かなものでした。今までは日常としてみていた個人アカウントのinboxも、どうかすると常時チェックしないほどになりました。
そういうわけで、今までにないくらい客観的に眺めることができたJANOGミーティングです。フタ開いてみると、300+の参加者で会場はほぼ満員,懇親会も盛況,スポンサーからの協賛も安定して常連化,プログラムもよく練られている、と申し分ない運営でした。